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おいしい時間

電車旅行の何がいいかというと、お弁当を頬張りながら、車窓を流れる景色を眺めること。ガタン、ゴトンと心地よい響きの中で今日は「イカ飯」をパクリ。ヨシコは、何やらおかずの種類豊富な幕の内のようなものをパクリ。これから奈良の吉野まで「佐藤初女(はつめ)」さんの講演会に行くのです。

青森県で「森のイスキア」という憩いと安らぎの場所を主宰する初女さん。やってきた人たちに初女さんがすることはごく平凡なことだ。 料理を作り、一緒に食べる。そして話したくなった人の傍らでじっとその人の話に耳を傾ける。悩みを抱えた人や心を病んだ人たちがその料理に接し、やがて心を開いていくのです。 初女さんは、料理というものを通して、生き方を含め、何もかもを表現される。あの小さなカラダから発せられる言霊によってか、とても大きな幹をもった大木が、初女さんの後ろに見える気がするのです。

講演会はと~っても楽しいもので、笑いあり、感動あり、質朴な人柄が会場を満たしていました。またこの会を開くにあたり、ひとりの女性の思い立ちが、多くの人の協力を得て、この日を迎えたということで、想いというものは通じ、また実現するのだなぁとかみ締めるのです。

そこからボクたちは、吉野の街を散策する。すると「ヘイ!忙ししておましてな」なる謎の文面に直面し大笑い。のんびりと歩きながら、駅から大阪にむけて電車が出発する。 車内でひとりあれやこれやと考えてみる。「おいしい」という言葉は、ただその料理を表現するだけでなく、「おいしい」と言いあえる環境も必要だと思うのだ。ひとりで食べるご飯と、みんなで食べるご飯を想像してみてほしい。どちらがカラダに自然と受け入れられるか、分かるのではないのでしょうか。そうだ、晩御飯はおいしいものを食べよう!そうだ!そうしよう!

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ヨシコと快食。快眠。起床。朝からとなりの台所ですり鉢を使ってゴリゴリとヨシコがゴマをすっている。これをするのが夢~だ~♪ゴマをするのだ、ふんふんふ~ん♪的な謎のオリジナルソングを歌いながらご機嫌。見てはいないが、ボクの予想ではすりながらゴマを何度もつまみ食いしていると思う。

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昨日、手ぬぐいと竹でつくった自家製「掛け軸」が、朝の風にゆられてパタパタと音をたてています。もうすぐ朝ごはん。むくりと起きて、玄関に打ち水、カーテンあけて、瓶ビールを冷やして、ヨシコに「ちょっとそこの焼き鮭をチャーハンに入れるから、ほぐしといて」と言われたので、寝ぼけたアタマで実行すると、めちゃくちゃ熱いではないか。思わず鮭から手を離すと、ボクの素足の上にペタリ。ギャー!!眠気も吹っ飛ぶ熱さで騒いでいると、「もう手伝わなくていいよ」って言われる始末。何はともあれ「おいしい」ご飯の時間は、もう間もなくなのだ。

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