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永原からマキノ高原 自転車ふたり旅

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念願の丸小船にご対面。ここは湖北は永原にある北淡海・丸子船の館。江戸時代中頃には1400艘をこえる丸子船が薪や米、人を運ぶ目的で琵琶湖上を行き来していたと聞くと、うっとりしてしまう。防水の役目をはたすため、船の板と板のあわせ目には槙縄というマキの木の皮を蒸してほぐしたものがつめられ、船釘はまっすぐ打たれるのでなはく、木と木を垂直にうまく接合されるように工夫されている。ここ大浦から大津まで風任せで2日間。エンジンがつくようになって6時間ほどで輸送できたと、館の方に説明を受ける。

Makino10

大津と聞くと、滋賀には草津、海津、今津、塩津など、「津」がつく地名がちらほら。そもそも「津」には海や川における「船の泊まるところ」「船着場」「港」という意味があり、塩津と聞くと、日本海から塩を都まで送る港だったのだろうと想像してしまう。針畑郷で聞いた話では薪をイカダにのせて琵琶湖まで送る。そこから大津にむけて船で輸送したそうです。また大好きな比良の人の話では、かの地では大きな石が豊富に取れたので、それもまた船で大津に輸送したとか。つまり大津とは、物資、人ともに大きな港だったのでしょう。

それにしても丸子船に乗っていた人を再現した人形が、リアルすぎて恐ろしい。興味深く船を見ていると突然現れるのだが、心臓に悪いのでご注意を。また大音量でミスチルが流れる館内。秩序のない現代にドロップキック。丸小船の声のようで最高です!

Makino2

我が家の「大津」はヨシコの胃袋。おいしいものがどんどん消えていく不思議な港。よく旅に出る我が隊であるが、ご飯が続く限りご機嫌♪というオリジナルソングを歌う彼女の燃費はすこぶる悪い。とにかくリュックに食料をつめこんで自転車をこぐ。

まずは永原駅から海津大崎へ。奥琵琶湖には多くの浜があって、水を密接な生活を営んでいること感じる。それにしてもずっと向かい風なので速度が上がらない。ヨシコはフラフラである。嫌な予感がするので近づくと、お腹が減ったという。マキノ町のほうをみると、事前に調べておいたお店の屋根が小さく見える。ヨシコよ、あの緑の屋根の下に食べ物が待っているぞよっ!と言うと、ランチー!!!と絶叫しながらペースが上がるのだ。

Makino3

東北のほうで地震があったんですよ。吉田酒造「竹生嶋」のおばあさんに言われながら、お酒を買い求める。この酒蔵は四代目。そして今宵の晩酌に選んだのは「純米吟醸 吟花(ぎんか)」。マキノのお米でつくったと聞き、嬉々としてリュックにつめる。地元の食材とともに味わいたいなぁ。またマキノの町には「土曜日ポイント2倍」の張り紙があちらこちらで見受けられる。何のポイントなのか。非常に気になるのだ。

Makino4

トンビが何度も何度も川に足を差し出し、魚を求めている。それを見たヨシコは反省しだした。トンビさんは何回も何回もアタックして食べ物を得ようとしているのに、わたしなんてさっきバイキングで何回も何回もお代わりして。ううううぅ。

Makino5

さぁ、お腹いっぱいヨシコは快走する。えいや、えいやと自転車を漕いで知内川を越え、マキノ高原方面へ。知内は嘉田由紀子(滋賀県知事)さんがフィールドワークされた地。その地を見たくてこの自転車旅を企画したつもりだが、ヨシコは関係なしにお楽しみ。

途中、マキノピックランドというマキノ町農業公園へ立ち寄ると、てっきりデザート代わりにフルーツを買い求めるのだろうと思っていたのだが、何故か干ししいたけを買っていた。レジのおばさんと、キノコ談議をはじめるヨシコ。ほんと、食べ物が好きだよねぇ。マキノ茶と黒胡麻のアイスクリームを食べながら、いやぁ、平湯温泉の牛丼は本当においしかったなぁと、何年も前の食事を回想しているのだから、相当な御仁である。

Makino6

イタセコイア並木だぁー!いやいや、ヨシコよ、メタセコイア並木だよ。のどかな田園地帯をまっすぐにのびる車道。水田にいるサギを見て、ヨシコはサギが好きだと言う。何故かね、ヨシコよ。だって首ながいでしょ。わたしどうも首が長い人が気になるみたい。

Makino7

マキノ高原では多くの親子連れが遊んでいる。父の威厳をこめた速球が、小学生の息子の一振りによって空へと消えていく。それを拾いに走る父。川では魚影を求めて水に入り、虫取り網を持った子らと野山をかけめぐる。何かいいなぁ。林の間からお肉が焼ける香ばしい匂いがたちこめ、薪のはぜる音がそれに重なっていく。あぁ、ヨチュオさん。いい匂いだなぁ。これはソーセージを焼いている匂いだね。ヨシコよ。違う家族の食事だから、あまり妄想しないでおくれ。さぁ、ボクたちも食事にしましょう。

Makino8

おいしい!米粉のシフォンケーキを食べながら、川の側でのんびりする。それにしても山から吹き降ろされる風のすごいこと。テントがバタバタと風にあおられ、飛んでいきそうだ。そんな強風の中、川をはさんで夫婦が会話している。えっ?あんなに離れているのに声が聞こえているの?すごいなぁとヨシコに言うと、そりゃそうよ、いつも聞いている声だからよと、モグモグしながら言うのです。

Makino9

1953年。マキノは知内川の堤防が決壊し村に襲いかかったとき、わしニジマスつかまえたーっ!と手づかみで喜ぶ村人の姿があったそうです(生活世界の環境学より)。どんな状況でも楽しみを見出すことはできるもので、その村はそのまま洪水を受け入れ、その後、皆で復興させたそうです。

川の水温でいい感じに冷えてきた日本酒と、コアユなど湖魚の佃煮をあてに晩酌。星空を期待していたのだが、あいにくの曇り空。テントの下、小さなキャンドルが今宵の一番星になり、今日も川はいろいろな恵みを私たちに与えてくれるのです。

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コメント

私も来月には家族で奥琵琶湖に行きますよ。針江集落を見たいので。もちろん丸子船も見に行きます。

投稿: かとう | 2008年7月22日 (火) 14時42分

おっと来月はこちらに来られるのですね!てっきり祝島かと思ってました!

針江でしたら「生水の生活体験処」で1泊もオススメですよ~。川の水をくんで、ゴハン炊いたり最高です。

丸子船は琵琶湖博物館にもありますよ。湖西は楽しいところがいっぱいです!

投稿: セカチノフ | 2008年7月23日 (水) 14時29分

さすがに祝島まで1歳半の幼児を連れてお盆直撃日程で行く根性は無いですよ。湖西地域は実は2年前の夏に行く予定だったんですが、妻の妊娠が発覚して泣く泣く断念したという恨みがあります。

投稿: かとう | 2008年7月23日 (水) 16時06分

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