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ノタノホリにモリアオガエルの声が響くのだ。

Mori1

すごいなぁ。

湿気も多く、雨上がりの森の中だからか、静かに感嘆の声がもれる。ボクとヨシコの目の前に突然あらわれたのは、モリアオガエルの産卵場所だった。

Mori2

ちょっとヨチュオさん。あなた登山靴で畳の上を歩かないで。痛んでしまうでしょ?

今日の散歩先を想像し、押入れから登山靴を取り出し、その場で紐を結んでいたボクは怒られてしまう。確かに言うとおりだ。でもヨシコよ。畳の上で注意するアナタの足元にも、しっかりと長靴が履かれているんだよ。

Mori3

開口一番。今日、あなた方が来ると思っていたわとエツコさんは笑う。比良のギャラリーskogは2周年。そして今日は3年目に突入した記念すべき日なのです。ギャラリーに入ると前とはまったく違う表情で、今回も作家さんとオーナーさんの想いがぎゅぎゅっと詰まっている。

Mori4

差し入れにお渡しした黒船(QUOLOFUNE)の「どらやき」にも餡子がぎゅぎゅっと詰まっているはず。このお菓子のコンセプトは、黒船がもたらした夢のようなときめきを日本から世界へ伝えたくてというもの。このギャラリーから夢のようなときめきをいっぱいいただいている方も多いのではないでしょうか。そしてエツコさんが黒船。さぁ、横浜に着いたわよ!下田も開港させたわよ!さぁ、つぎはどこかしら?誰かしら?と幕末のペリーのごとく比良での邂逅を探られているのです。

Mori5

この橋の向こうには何があるのか。

桜のコバから堂満岳方面へと左折すると、小さな橋に出くわした。そこにはクモの巣がはられ、巣の主がここからは野生への境界線ですよとばかり、お尻から雨露に輝く意図をみせる。その橋の向こう、いよいよ山への入り口というところで、ガサガサッという音とともに、1頭のシカが森の斥候のごとくその奥へと消えていく。

Mori8

ヨチュオさん。ちょっとした散歩って言ってたよね?ハイ、そうですよ。これは散歩じゃなくて登山と言うの!と、梅雨時期の湿度の高い山道を流れる美しい小川に手ぬぐいを湿らせて吹き出る汗をぬぐうヨシコ。森は高度をあげるにつれ、ピリピリとした空気に変わっていく。神か物の怪がいるのではないかと思うような霧が、木々の梢にまとわりついてその場を離れようとしない。ヨシコに、今日はその靴だし撤退するかい?と聞くと無言で登っていく。あとから聞くと、こんなところで帰ってたまりますかっ!と最後まで行く決心をしたようだ。そして平坦な道になったなぁと感じたところ、それは突然やって来た。

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ノタノホリにはモリアオガエルの卵がいくつもいくつもぶらさがり、孵化を今か今かと待っている。これが見たくて登ってきたのだ。ボクたちが動くと静まり返る森。しかし一度じっとしていると、オスがメスを呼び止める声があちらこちらから聞こえてくる。まだまだ産卵期なのだろう。

Mori7

モリアオガエルは孵化するとオタマジャクシの状態でその卵塊から下の湖面へと飛び込んでいく。次から次へと飛び込む子どもたち。その下で自らを食そうとイモリたちが待ち受けているのにも関わらず、またひとり、またひとりと空を飛ぶ。

水面を見ていると幾重にも重なる波紋が広がっていく。それは葉から零れ落ちる雨水であり、オタマジャクシの着水であり、イモリたちの生きるに必要なひと呼吸。この小さな水辺を舞台に回り続ける生命の営み。

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ヨシコは小さな声で「人間は愚かだ」と言う。今、この場所にいる者だけが分かる言葉。比良の水田では逃げ惑うカエルも、ここではにらみ返してくる。トノサマガエルが、我が城にて何か答えをお探しかのごとく、濡れたコケの上に堂々と鎮座しては、過信した小さな人間に無言の問いかけをいつまでも送るのです。

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肌を刺すようなピリピリとした緊張感のある空気は、山をおりるとともに和らいでいく。それは自然への畏怖なのだろう。家々の屋根が見えてき、人里に舞い戻るとお腹が減ったことに気がつく。人の中に眠る森の中の記憶が、再び閉じられたからだろうか。それならば北小松のファミリーれすとらん「ひろせ 寿し正」さんが気になるので向かいましょう。

すると電車が比良、近江舞子間で急停車。そして「本日、車両不良により近江舞子、近江塩津間、ただいま運休しております」とのアナウンス。これでは北小松まで行けないと気づいたヨシコは・・・。

Mori9

せっかくアオモリガエルのところまで、辛くとも歩いたのにこんな仕打ち。あぁ、神さまとばかりに号泣。

ヨシコよ、モリアオガエルだよ。

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コメント

ちょっとー私は黒船かい~?
篤姫になりたいー。

まったりし隊さんなら3年目に入る日にきてくれると私は予測出来るわ。たけど、イソイソと出て行くと思ったら、私が絶対に行けない山に踏み込んでいたのね。

それにしても、あーお気の毒、寿し正さんにいけなかったみたいね。
ところで、北小松駅前の事までどうして知っているんだろう。
あなた達!!

投稿: skog | 2008年6月22日 (日) 23時13分

篤姫さま。

2周年おめでとうございます!
そら豆の箸置きは大切に使わせていただきます。
またのんびりとお邪魔しに行きますので、よろしくお願いいたします!

そうそう、実は篤姫さまが「まったりし探知機」をお持ちのように、我が隊も「おいしいもの探知機」を持っているのです。マキノ方面に行く前に車窓からチラリと見えたものですから。

さぁ、北小松には次回リベンジですっ!

投稿: セカチノフ | 2008年6月23日 (月) 14時23分

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