« 素浪人ワルツ | トップページ | 魅せられて食す »

雨音と吹き抜け

突然ねぇ、娘が泣いているーって電話がかかってきてね、よく聞くと大雨の日に家の屋根が吹っ飛んで大変だと言うんです。ちょうどその家の前を通ったときに、ある建築士の方が車を運転しながら笑う。室内のリフォームをしただけで屋根はまったく触っていなかったそうだが、急いで駆けつけ修繕されたとか。原因は目の前に建ったマンション。そこからのビル風が屋根を吹き飛ばしたのだ。ボクには普通の町並みに見えるこの風景も、住む人にとってはそれぞれにドラマがあることだろう。

Sugi1

家で栽培しているプチトマトをもぎとってパクリと口に放り込んだなら、ヨシコは雑誌イエヒトのお仕事に向かう。今日の現場は滋賀県は草津。編集者のFさんと、ライターのSさんと同行するも、さすがはFさん。雨男ぶり全開で、バケツをひっくり返したような雨。外観の写真は撮影できるのかと雨を恨みながら、素敵なお宅へお邪魔させていただきました。

Sugi2

うわぁぁ。いいなぁ、吹き抜けで。2階の吹き抜けから階下を見下ろし手を振るライターのSさん。高校生のお子さんを持つSさんは、仕事場では子どものような好奇心で駆け回る。一方、お邪魔したお宅のお子さんは歯が生えていないのに、歯磨きが大好き。空から降る雨音は、大きな吹き抜けにパタパタと軽やかな音を立てているのだが、この雨の音が子どもには落ち着くようなんですと、住まわれているご夫妻が笑う。同じ雨でも嫌う人もいれば、喜ぶ人もいるのだ。

Sugi4

雑誌の取材を終えた車の中で、ライターのSさんが自分の家族のご自慢。でも高校性にもなると、一緒に遊んでくれないでしょ?と聞くと、それがねぇ、まだまだ一緒に遊んでいるですよ!と嬉しそう。いいなぁと思いながら、最近はどんな遊びをしているんです?と聞くと、最近はモンハンだな。モンハン?何ですかそれは?あれー!?知らないの?モンスターハンターだよ。ハハッ!(どうやら親子でゲームをされているご様子。)

こんな取材に同行していると、あちこちに家があって、それぞれの家庭があっておもしろい。我が家もそのうちのひとつ。ヨシコに今日伺ったお宅の吹き抜けはすごかったねぇと言うと、我が家にも最高の吹き抜けがあるじゃないという。こんな平屋のどこにあるのだと思いゴロリと寝転がると、窓からどこまでも大きな空がくっきりと見えた。さえぎるものは何もなく、雨もあがった空は茜色を帯びていく。あぁ、そうか。これが我が家の吹き抜けか。

Sugi3

炊き上がったお米の匂いに誘われ起きだし、文化鍋の蓋を開けるとキラキラとした白米。秋田杉の「曲げわっぱ」にご飯を移しながら、今の国産の杉は建材として安すぎるんですという編集者Fさんの声を思い出す。樹齢の差もあるが、「曲げわっぱ」になれば工芸品で、建材になれば買い叩かれる。でも安く家を建てたければ選択肢のひとつにもなるが、花粉症の人には杉が生えているだけで嫌になってしまう。同じ杉でも嫌う人もいれば、喜ぶ人もいる。

どうやら物や環境というものはその人の見方によって、ころころと姿を変えてしまうようです。だからこそ物の見方、感じ方を養うということは、とても大切なことなのかも知れません。

|

« 素浪人ワルツ | トップページ | 魅せられて食す »

徒然なるままに日暮し」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214716/41704832

この記事へのトラックバック一覧です: 雨音と吹き抜け:

« 素浪人ワルツ | トップページ | 魅せられて食す »