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若草山

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ヨシコが、ぶどうの皮を剥いている。するとぶどうが笑ってこっちを向いている。それを食べたヨシコが笑ってこっちを向いている。

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さて、お腹も満たされたところで、目の前の若草山を登ることにした。若草山は、やっぱり裏から登るに限る。春日山原始林から若草山山頂に出るコースなのだが、ゆるやかな登りで、非常に楽なのだ。

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さて原始林に一歩入り、月日亭を過ぎたころになると、自動車はそこから上がれず、のんびり道になる。多種多様な植生があって、幹の太さが何メートルもあるような巨木のブナやスギがゴロゴロ。中には落雷でやられてしまった箇所もあるが、陽の入るあたりから、ヒョロヒョロと次の芽生えが出てきている。またよく見ると意外と岩肌も多く、昔、若草山は火山だったと聞いたことがあるが、関係あるのだろうか。

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それにしても同じ道を季節を変えて歩くのはよい。以前は、紅葉真っ盛りの原始林を歩いたが、今日はまだまだ青い。前回はこの道一面に紅葉が絨毯のようにひかれていたねぇ、と言いながら山頂を目指す。そして山頂からは、奈良の町並みがどこまでも見え、山々の連なりと、その先の青が美しい。

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お母さーん。その先に鹿はいないー?

下山はじめにすれ違った小さな女の子が、先行く両親に聞いている。頂上まで登るにあたって、どうやら鹿が怖いようで、ビクビクしているのだ。そんな女の子にむかって両親は、「いないよー!」と優しく声をかけ、登ってくるよう微笑みかける。女の子は「いない、いない!」と呪文のように声を出しながら登っていく。でもね。山頂には鹿がいっぱいいるのです。

そんな怯えながらも登りつづける女の子もいれば、ボクのすぐ横から「どすこーい!どすこーい!」という気合の雄たけびが聞こえる。四股を踏んだり、張り手をしたりしながら、登る女の子もいる。誰もいないからいいけれど、普通に登れないのかねヨシコさん。

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そっ、それにしてもヨチュオさん。若草山の一合目って急だね。だから裏から登るんです。楽だったでしょ?そんな横を小さな男の子が家族とともに登っていく。

お父さーん!そこはもう平ら~?

がんばれ日本男児よ。まだまだ先は長いぞよ。そう思いながら若草山をあとにした。

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さて下山後、たくましい足に惚れ惚れする。東大寺の南大門に木造金剛力士立像なのだが、裸足で大地をしっかり捉えているからこそ、あんな大きなカラダでも微動だにしないのだろう。南大門あたりには、海外からの観光客も増え、消火栓の収納ボックスをゴミ箱に間違える人もいて、ヨシコが海外の人には分からないやろうなぁと、クスクス笑う。そしてこの金剛力士像を見ながら、

はぁあ、それにしてもかっこいい象やなぁ、この風神・雷神。

いやいや、ヨシコよ、アンタも間違ってるよ。

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奈良といえば鹿。鹿せんべいを買っては、鹿が群がり食べに来る。ヨシコよ、鹿せんべいでも買うかい?いえ、買いません。鹿は人から与えられなくても生きていく力を持っているからよ。そう言われると、原始林の中で見た1頭の鹿を思い出した。人からある一定の距離を保ちながら、悠々と下草を食んでいた鹿を。

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さぁ、家に帰りましょう。そろそろ冬将軍が忍び寄ってきたので、その準備もしないとね。

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