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はじめての家族旅行

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僕らはみんな~♪生きている~♪生き~ているからヨシコちゃん~♪

「手のひらを太陽に」を一部、歌詞を変更して、ご機嫌で歌うヨシコ。そう、ヨシコリが生まれて初めて、家族で外泊する旅に出るのである。

昨夜から身も心も解き放たれたヨシコは、食欲の翼を空いっぱいに広げ、ヨシコリに言う。

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ヨシコリ~♪明日は、食べ放題だよ~♪あれもパクッ!これもパクッ!ってしちゃおうねー。ららららら~♪一張羅に着替えなくっちゃ。でも、わたしの一張羅、何年も同じだから、いつごろ行ったのか、毎回同じ服の写真を見ても分からないよね~♪ららららら~♪

そんなヨシコを乗せた京都バスは国際会館を離れ、比叡山の麓を走っていく。川沿いと走ること約20分。

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やって参りました、京都は大原です。

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はぁあ、美味しいわぁ。

着くなり、紫蘇ソフトクリームを頬張るヨシコ。「歩く・見る・聞く・食べる」が基本姿勢の我が隊は、相変わらず里山を歩き回る。稲刈りも大部分で終わっており、コスモスがこれから咲こうとしている棚田を過ぎる。彼岸花はまだその花をまだ内に秘め、見下ろす里山を前に、ヨシコリは僕の背中で寝息をたてている。そんなのどかな時間を切り裂くように、ヨシコが叫び出す。

ん!?あーー!!!

ど、どうした、ヨシコよ!

と、父ちゃん、この紫蘇アイス、コーンの先までぎっしり入ってる!

…あっ、そう。

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何これー!

三千院の庭を眺めるヨシコリ。その佇まいを子どもながらに心のどこかで理解しているであろうと言う親心を、完全に裏切るかたちで、ヨシコリは大きな仏様にむかって、

レロレロレロー!ダァー!!!

つまり、「いない、いない、ばぁ」 を大きな声で繰り広げる。

ちょっ、ちょと待て、ヨシコリよ、誰でも「いない、いない、ばぁ」をすれば喜ぶのではないのだよ!しかも仏様にむかって!しかし、悲しいかな、蛙の子は蛙。この度の様々な場所で、それを再確認することになろうとは、この時はまだ思いもしなかったのである。

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えへへへへへー。

三千院の池の中を泳ぐ美しい鯉に珍しく見とれているなぁと、ヨシコリの目線までかがんでヨシコリを見ると、上からでは帽子で分からなかったが、彼女のヨダレがすごいことになっている。

ハッ!ヨシコリの目が、鯉を完璧に食料として認識しており、「おとと、おとと」と、日頃、大好きな焼き魚を意味する言葉を、小さくつぶやいているのである。こ、この食欲。思わず親蛙であるヨシコを見てしまうが、ヨシコはあら?どうしたの?という目線をくれる。

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チュン、チュンがいるよー。

ヨシコリが鳥を意味する「チュン、チュン」を、ある絵画を見て言葉として発すると、それを聞いたヨシコが、あら、惜しいわねぇ。ヨシコリちゃん、これは水鳥で、どちらかと言うと「ガー、ガー」って言うのよ。まだ子どもだから、きっと区別がつかないんだねぇと、優しく諭す。そして次の「木の上に座る猿」の絵を前にしたとき、ヨシコの言葉に僕は衝撃を受ける。

あら、ヨシコリちゃん。これはモグラよ!

エーーッ!モグラが木に登るー?どっから、どう見ても猿である。思わず親蛙であるヨシコを見てしまうが、ヨシコはあら?どうしたの?という目線をくれる。思わず、猿でしょ?と訂正するも、あら、父ちゃん、世界をいつもの視点で見ては、大切な何かを見失うわよ!と、えらく哲学的なことを言うので、そっとしておいた。

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はぁあ、今日も、お母さんの突拍子もない話をメモ、メモ。

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三千院から宝泉院へ。

拝観料の高さに、貧乏暮らしが長い我が隊は慄くも、はじめての家族旅行だから、奮発?しましょ!と門をくぐる。水がどこかで流れる音、そして石でできた楽器の音色が心地よい。囲炉裏を前に、ヨシコが心静かに座に座る。そして穏やかな顔から一変。

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仁義を切っておくんなせー!!!

ど、どうしたヨシコよ。急にそんなこと言って。

いやぁ、最近、浅田次郎のプリズンホテルを読んだばかりで、ちょっと思い出してしまって。庭先でも「仁義を切っておくんなせー」ポーズ。きっと「お先にどうぞ」ポーズであろうと信じて、そっとしておく。

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まぁ、抹茶でも飲んで、心鎮めておくんなせぇ。

さて有名な庭を前に、住職さんらしき方が、様々な説明をしている。書院のこと、樹齢700年の五葉松のこと。赤い敷物の上に座りながら、講釈を聞いていると、いよいよ血天井の話しになる。

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司馬遼太郎の功名が辻。

最近、読了したばかりだったので、生々しく耳に入る。留守居役の鳥居元忠ら数百名が伏見城で石田光成の軍勢にやぶれ力尽き、彼らの遺体が数ヶ月放置されたその床板には、鎧の後、人の顔が血糊によってくっきりと残っているのが見えた。

同じく聞いていた人々が息をのんで天井を見上げていたとき、その恐怖に耐えられなくなったひとりの子どもが絶叫する。

アンパーーンチッ!!

振り向くと、ヨシコリが恐怖を振り払うかのように、アンパンマンの必殺技を叫んでいる。どうやらアンパンチで悪霊と戦うつもりらしい。それがあまりにもかわいくて、そうだヨシコリ、数百年前のことを考えるよりも、今を生きよと、アンパンチのあと、ひたすら「おっぱい」を連呼する我が子を抱きかかえる。ちなみに、お母さんが旅の最初で歌っていた「手のひらを太陽に」の作詞も、アンパンマンの「やなせたかし」だからねと思いながら、我が隊はお腹を満たすべく落ち延びた。

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うますぎるー!

小の山荘で、十割蕎麦とビールに舌鼓。目の前では、無塩のうどんを奪い合う親子。青々とした豊かな庭の横でいただく蕎麦は、しっかりとした鰹出汁、ツルッとした咽喉越しで、少し疲れた身体を癒してくれる。

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歩くからこそ見える景色。

我が隊は相変わらず車がないので、のんびり、まったり散策する。川の中の魚影を追ったり、米粒の重さでうなだれた稲穂を触ったりしていると、心ものんびりとしてくる。

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田んぼの横にカモ。

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日が暮れるまで歩いて笑う。

疲れたら道端の茶屋に腰かけ、紫蘇ジュース。

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200円でいいんですかー!?

手ぬぐい好きのヨシコが手ぬぐいを見つけ、そのデザインのかわいさと、その安さに驚きの声をあげる。手ぬぐいを販売されているご主人に、手を振り別れ、大原工房・草庵へ。わっぱ堂の横で、お茶をいただきながら、化学繊維でなければ何でも染まりますよ~。実は染めているときに着ている服が一番、染まりますけど、と言うお姉さんに興味ある草木染めについていくつか教えてもらう。

時間があれば、大原工房で体験ができるからと案内を受けるも、体験をする場合は、一度、電話が欲しいと聞く。理由は、経営されている父がすぐに泳ぎに行ってしまうからとか。それを聞いたヨシコが笑いながら、

お父さんは、ムキムキですか?

ヨ、ヨシコよ何を聞くのかね、と思っていると、お姉さんも少しはにかみながら、

ムキムキです。

そしてこのムキムキ具合を、翌日に確認することになるのだが、それはまた後日。

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いらっしゃいませ~。

今宵の宿は、民宿、大原の里。添加物を使わずこだわりの製法で仕上げた自家製味噌と、太陽をいっぱいに浴びて育った京野菜、赤地鶏を堪能するのだが・・・。第2部へ続く!

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えっ!続く!?

父ちゃん、この話、長すぎない!?

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