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2011年2月

木村伊兵衛写真展

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朝寝坊。

晴れた日曜日の朝。いつもなら日の出と共に起き出すヨシコリが、珍しく起きてこない。8時ごろ、もぞもぞとしだしたので様子を見張っていると、ハッ!と気づいて起きるなり、

えっ!お昼!?

と言ったものである。1歳児の発言とは思えず、すでに社会人化しているのではないかと疑った私を、続けざまに見るなり真顔で、

やぁ、カバくん。

と挨拶したものである。誰がカバやねん、父ちゃんに決まっているではないか。さぁ、気を取り直し、1週間に1度の休日を満喫しようではないか。

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蕎麦+日本酒=他に何もいらない。

そう確信している私の想いとは裏腹に、とある京都の蕎麦屋では、日本酒の銘柄に好みのものがなく、意気消沈。それでは本来の目的地を目指そうと、京都は四条にある何必館の木村伊兵衛写真展に向かう。

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イヤイヤイヤイヤイヤイヤーー!

魔の2歳児のイヤイヤ期に突入しつつある、ヨシコリのイヤイヤ絶叫が四条通りで炸裂する。抱っこイヤー!ごはんイヤー!足足(歩くこと)イヤー!

朝、写真展に行こうねー、と誘っておきながら、蕎麦を食べたりダラダラと移動する親たちに怒り心頭したのであろう。イヤイヤ絶叫とともに、路上に這い蹲り、のた打ち回り、ミミズのごとく体をくねらせたかと思った瞬間、何を血迷ったか、いきなり腕立て伏せ。

あまりの筋力のなさに、生まれたての小鹿のごとく後ろ足と、小さなお尻を震わせ、腕立て伏せを続ける1歳児の姿に、大爆笑の我々、親失格。急いで抱きかかえて、写真展に駆け込むと、ケロリと上機嫌。花粉症気味の私の苦しみを知らず、ケラケラと私の腕の中で楽しむのである。

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女性の手や指先に。

木村伊兵衛によると、美しさが出るという。アンリ・カルティエ=ブレッソン写真展以来の何必館ではあるが、もう少しボリュームが欲しかったというのが、正直な感想である。好きな写真も多数あったので、もっと見たいという衝動にかられたというところであろうか。あれこれ思いながら、葛きりを食べる前の、ヨシコの手を映し出す。タイトルは「ヨシコリの分までお菓子を食べきる母」とでも名づけよう。

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私、風邪気味なのよ。

確かに朝から熱っぽいようで、あれほど今日は寝ていればどうかと言ったのにも関わらず、木村伊兵衛写真展を見る機会が今日しかないので、強行を唱え、決行。写真展の後、達成感からか、フラフラして来たらしい。

ボクのグリーンティーでも飲んで、さっぱりしたら?

いやいや、ヨチュオさん。そんなことをしたら、私の風邪がうつってしまう。あなたに申し訳ないから、このストローをやめて、直に飲むわ。

ん?ストロー?直?

するとヨシコは有限実行。グリーンティーのストローをはずし、グラスから直接、グビグビ、ぷわぁあ!もう一度、ストローを突き刺して、私に返す。ほっと安心のご様子。

わっ、分からん。

ストローからのみ風邪菌は伝播するのか。直でも一緒ではないのか?そう思いながら、残りのグリーンティーを一気飲み。しかしながら後日、風邪をひくことはかったことを追記しておく。

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我が家のお雛様が見守る中。

帰宅後、ヨシコが寝込む。ヨシコリのご飯も作る必要があるので、一石二鳥とばかりに、小さな土鍋で炒り玄米を作り、コトコトと御粥を作る。ほんの少しの塩味をつけ、自家製の梅干と、塩昆布をお好きなように。でもあわてていたからか、

ヨチュオさん、これ、アルデンテ。

これまたあわてて作り直す。

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決して邪魔をしない。

ヨシコが寝室で寝るなり、ヨシコリはその襖を自ら閉め、ひとり遊び。本当なら甘えたい時間になっても、我慢して、積み木をしたり、私にまとわりついたりと、愛らしい姿を見せる。その横で私は、風邪にはリンゴジュースと、ストレートのジュースを入れる。ヨシコリはそれに気づき、それは何?と聞く。

ヨシコリにはまだジュースを飲ませるつもりがないので、いつも、これはお酒なんだよ、ヨシコリにはまだ早いんだよと教えてきたので、今日も、これ、お酒!と言って、ヨシコが寝ている寝室に向かおうとすると、ヨシコリがとうとう抑えきれない想いを絶叫!

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私もお酒飲むーーー!!!!

リンゴジュース=お酒と思っているヨシコリの真摯な姿に、寝ていたヨシコと私は、腹の底から大笑いし、また愛おしく感じながら、山廃仕込み 真鶴(純米酒)を傾けた。

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梅小路蒸気機関車館

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京都駅から程近く。

梅小路公園では、梅が咲き、桜が花開く準備をしている。わが娘は相変わらず頭上に展開する四季の営みに興味なく、這い蹲るように様々な石と戯れては、「石ー!石ー!どうじょ~(どうぞ~)」と、マイペースぶりを発揮する。

さて、本日はもちろん石を集めに来たのではなく、日ごろ、機関車トーマス大図鑑を愛読するがゆえに、寝言にまでトーマスの名前を呼ぶわが子に、それならば本物を見せてやろうではないかと、背負子を担いでやってきたのが…。

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梅小路蒸気機関車館。

ヨシコリのためだと言いながら、実は自分が一番楽しみにしていたのかも知れず、鼻息荒く、SLの雄姿を眺める。ヨシコは、隣の駅弁屋さんに一直線。

北陸本線米原~木ノ本間を「SL北びわこ号」として、春秋冬に臨時運転をしているC56型160号機は、1986年、当時、奈良は帯解に住んでいた幼少の私の前に現れた「SL大和路号」そのもので、遠くから煙が見えたかと思えば、巨大な車輪と轟音が目の前を駆け抜けたことを今でも記憶している。そして機関車に牽引される客車に乗った家族連れをうらやましく眺めながら、友人とともに田んぼの畦から、手を振ったものである。

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SLスチーム号(C612)

この梅小路蒸気機関車館では、わずか1kmほどをバックで行って正向きで戻ってくるだけだが、SLの体験乗車が出来るのである。出発の際には、大きな汽笛が鳴りますよー!との掛け声とともに出発進行!ところが…。

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汽笛の轟音で号泣!

降りる!降りる!の大絶叫だが、後の祭りである。

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気を取り直して。

すぐ横の公園からSLを見守る人々に、手を降るヨシコリ。

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ほんのわずかな時間だけど。

お尻の下から伝わる振動、蒸気の匂い、重量感ある車輪の音。実感として知覚できるその感動は、時を越えてあの「大和路号」に乗っていた家族連れの気持ちにつながったと思う。あぁ、ヨシコリよ。すまぬ。汽笛で泣かせてしまったが、やはり、私自身が最高に楽しんだのだ。

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そこに「在る」ということ。

ヨシコリには常に「食」であれ、何であれ、「本物」に触れて欲しい。この蒸気機関車の存在感は、目の前に立たねば分からぬ。最近の映画のCGのように、一見、美しく見えるものでさえ、同じ映画でも実物で撮影したもの、例えば、今思いつくものとして、あのSL大和路号が走った1986年の映画、「TOP GUN」のF-14トムキャットの空撮シーンに敵わない。

なぜなら、そこに「本物」が在るからだと、あの巨大な車軸、車輪、蒸気上げて走る蒸気機関車に子ども心に圧倒された私は、そう信じている。そして「本物」は記憶としていつまでも、残るのである。

さぁ、ヨリコリよ、機関車トーマスはどうだった?

こ、怖かった。

えっ!本物は、怖かったの!

すまぬ、ヨシコリよ。先日の節分、鬼やらい神事といい、うーん、まだ早いのかなぁ。怖さだけが、いつまでも「記憶」に残りませんようにと願いながら、バレンタインにいただいた古都千年 純米吟醸に続き、黒人気 純米吟醸を飲み干した。

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「はらっぱ」と梅林

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みんなで育てましょう。

「はらっぱ」という活動に参加して来たヨシコが、仕事帰りのボクにあれやこれやと教えてくれる。パンが美味しかった~♪からはじまり、ヨシコリがそれはもう人見知り知らず。コミュニケーション能力のみで生き、そうかと思えば自分の意思を伝えることが強い子でもあることなど、事細かに話すのである。

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絵本読みますよー!

それまで集団行動をしていなかったヨシコリは、ダダダダダー!と走って一番乗り。さすが読書家である。サンマ一匹ぺろりと食べるほどの魚好きのヨシコリは、ヤマメの話を夢中で聞く。しかも立って見るものだから、後ろの子どもたちから、アンタ邪魔!と言われてもお構いなし。頭の中は、きっと想像力いっぱいに魚(おとと)の世界が広がっているのであろう。

ボクはそんな話を灘の酒、瑞穂黒松剣菱をちびりちびりとやりながら、微笑ましく聞くのである。

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それから数日後。

寝言で、トーマス!ジェームス!機関車トーマス!天丼かぁちゃん!と叫ぶヨシコリを、家の裏である万博公園に連れて行く。今日は、アンパンマンがやってくるのだ。

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満員御礼。

アンパンマンを少しでも見せてやろうと、親たちは肩車。ショーが進むにつれて、あまりのわが子の重さに、日ごろの運動不足が祟ってか、肩痛い!と脱落するお父さんも続出。そんな中、ヨシコリは、バイキンマーン!とアンパンマン無視で絶叫、大興奮。

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梅に興味なし!

ヨシコと梅林の爽やかな香りを楽しむも、ヨシコリは地面に這いつくばって、石!石!石どうじょ(どうぞ)!と石を拾うことに夢中。そしてその延長なのか、枝からこぼれてしまった数々の小さな梅の花のつぼみをつかんでは、「赤ちゃん」と言って、ヨシコに手渡す。そして再び、「どこどこどこどこ?あったー!」とつぼみ探索に精を出す。

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ヨシコリが集めたつぼみたち。

数時間後、我が家のガラス皿の中で水に浮かべられ、少しずつ花開くことになる。

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日々の暮らしの中で。

ボクが朝から夜まで仕事に出ている間、2人で向き合うことが多いであろうヨシコとヨシコリ。子育てならぬ「孤育て」にならぬよう、ヨシコはヨシコリを「はらっぱ」を含め、様々な場所に連れて行く。そこからまた新しい出会いがあって、このガラス皿の中のつぼみのように何かが花開くことだろう。

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どうじょー!(どうぞー!)

乳母車の間から、見知らぬ人に、石を差し出すヨシコリ。何でも分け与えてしまうヨシコリもまた、これから花開くつぼみなのだ。ヨシコは、様々な場所にヨシコリを連れて行っては、今日はお友達と何をしたの?と聞くのだが、ヨシコリはいつでもこう答える。

どうじょ!ありがとう!

ヨシコリにとって人間関係は、「どうぞ」と「ありがとう」で出来ているらしい。それが一番大切なことだなぁとあらためて教えられながら、乳母車の中の寝顔を見ながら家路につくのだ。

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味噌作りと虫歯予防

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ねちゃ!ねちゃ!

朝から何ともいえない粘着性のある音を響かせて、ヨシコとヨシコリが味噌を仕込んでいる。圧力鍋で大豆を煮ている間に、麹の塩きり。ガスコンロとすり鉢がフル稼働。

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入るー!

そうかと思えば、味噌保存するために琺瑯を買い求めたそのダンボールに収まって遊びだすヨシコリ。子どもなら、誰しもしてしまうことなのだ。

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今年の秋まで待ってね。

豆と麹と塩を混ぜていると、ヨシコリが食べるという。あわてない、あわてない。まったりと時期が来るのと待てばよし。

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最近のお気に入り。

結露した窓いっぱいにお絵描き。美しい円を描きながら、これは父ちゃん、これは母ちゃん、これはヨシコリなど、ぶつぶつ言っている。その横で、鬼の霍乱。ボクは風邪を引いてしまい、再びヨシコの自然療法による看病、そして足湯と、梅肉エキスによって回復に向かう。

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さてさて、図書館に行きましょう。

白雪姫より梶芽衣子の修羅雪姫よー!と豪語するヨシコは、ヨシコリのために虫歯予防の本を借りる。帰宅後、猛読しはじめたかと思えば、おもむろに立ち上がる。

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うわーん!

本に書いてある虫歯になりやすい人の習慣って、私のことよー!そう言いながら、これでもかとヨシコは歯を磨く。そうかと思えば、ラジオから流れるビートルズを聞きながら、この頃、日本は高倉健の昭和残狂伝封切だったんだねぇと、任侠気質がうずき出し、物思いにふけるのである。

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