徒然なるままに日暮し

新・農業人フェア

Sin1

なぜ、自然農法を選択されたのですか。

美味しいからです。

会場につめかけた若者の質問に、農家のおじさんは当然のように答えた。それを聞いたボクは、これほど腑に落ちる答えはないと、衝撃を受けた。

やれ、カラダによい。環境によい。地球に優しい云々。

ボクは少々頭でっかちで、自然農法、有機農法に関する書物を読むものだが、そんな様々な薀蓄を聞くよりも、「食べたら分かる、美味しいから」というシンプルな原動力こそ、忘れがちなものだった。

Sin2

また自然農法をされているその人は、先の石油の高騰時でもほとんど影響を受けなかったと言う。化石燃料を原料とする肥料代は年間1万円ほど。ハウスにおける暖房など、他に依存しない形態で行う農業は、自分で未来を描くことができるのであろう。また、直売という販売形態をとることで、お客さんの喜ぶ顔が直接見れることの幸せ、口コミのおかげで海外からの安価な農作物にも対抗できているという報告だった。

Sin3

少し興味があって参加したこの新・農業人フェアは、若者や家族連れでいっぱいだった。皆、農業に関心があったり、移住を考えていたり、新規就農を考えていたりと、ブースは熱気に包まれている。会場であるスカイビルから梅田の駅前開発を見ると、真っ白は灰塵が、赤いクレーンに導かれるように、空へと上がる。この会場では、スピーカーから大地に根ざす暮らしが叫ばれている一方、ガラスの向こう側では、突貫工事、高層ビル群が霞んで見える。ボクの目と耳は、相反する刺激を受けて、混乱してしまった。

Sin4

帰宅すると、生野菜が食べられない八百屋の大将が、何と生野菜を食べているではないか。「甘なが」が熟し、赤くなったものは市場で売れないと、農家のおじさんが、無料でやるから持って帰れと言われたらしい。八百屋さんは、見た目判断で、そんな赤くて辛いもん、食えるかと言うと、農家のおじさんは、アホ、めっちゃ甘いんやと返す。もし、辛かったら承知せんへんぞと言いながら八百屋さんが口にしたところ、めっちゃ甘い、これもらうとなったわけである。

Sin5

大将はレジを打ちながら言う。ほんでな、甘くて気に入ったから、次の日ももらいに行ったんや。そしたら今度は金とりよったと笑う。その農家さんも、無農薬。「美味しいもの」は、生野菜を食べれない八百屋も買うのだと、あらためて考えさせられた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

HP移転のお知らせ

Necomura

こんにちわ。ヨシコリです。

先日、いつもお世話になっている「きょうの猫村さん」の4巻が発売されて嬉しい限りです。それに伴い「まったりし隊」のホームページが新しくなりましたので、ご報告しておきますね。

新しいアドレス
http://mattarishitai.web.fc2.com/

一部、写真の取り込み中でまだ出来上がっていないページもありますが、随時、更新するってお父さんが言っています。

お気に入りに登録されている皆様、よろしければ変更お願いいたします。

※最新のブラウザ(例:Internet Explorer 8など)でぜひご覧ください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ムーンウォーク

Gudaguda

それは夕陽が住宅街を紅く染めるころだった。

ボクは八百屋さんでバナナピーマンなる謎のピーマンを片手にレジにならんでいた。開け放たれた空間から、冷房の冷気とともに、大音量のラジオが路上に流れていく。その流れにそってボクの視線は、自然と外にむけられた。

すると酒屋の方角、つまり夕陽の向こうからひとりのおじさんが歩いてきた。

そのでっぷりとしたお腹を見ると、おそらくメタボ解消のために夕食までのウォーキングに励んでおられるのだろう。しかしこの酷暑である。すでにTシャツは汗にまみれ左手の中でクシャクシャとなり、右手のタオルでしきりに汗を拭く。

酒屋の自販機の前をとおるとき、おじさんの視線はチラリとビールのほうへ。分かる、分かる、その気持ち。酷暑の中で飲むあの麦芽、ホップの香りはたまらないものである。

その誘惑にも耐え、上半身裸、パンツ一枚。フラフラとした歩み、視線はアスファルト、背中も折れ曲がらんばかりにうつむき、今にも倒れそうで心配になる。

その時である。

POW!(パウッ!!!)

正直、ボクもびっくりするほどの音量で、マイケル・ジャクソンのスムース・クリミナルがラジオから流れ出した。カラダが思わず揺れるようなリズム、想い描かれるマイケルの華麗なダンス。

ウォーキング中のおじさんもビクッ!と反応。

暑さに負けないマイケル・ジャクソンは疲れたおじさんにむけてどんどん歌いだす。

Annie Are You OK!
So, Annie Are You OK!

どんどんマイケル・パワーが注入されていくおじさん。するとどうだ、まるで猿から人類への進化の過程をみるように、フラフラと、そしてうつむき加減であったその姿勢が、どんどん重力に逆らって、まっすぐになるではないか。そして、マイケル・ジャクソンの歌声にあわせて、足取りも軽やかに、最後にはテンポもぴったり!

すげぇ!マイケル!

おじさん、歩くの早くなったよー!

ボクはレジの前で、音楽はなんて偉大なのだと感動した。

夕陽を背に歩み去るおじさんの後頭部は、すでに頭皮のみとなっていたが、汗と太陽の力でまばゆく輝いている。

ボクはレジの前でふと思った。

マイケル、見てごらん。

太陽で輝く球体。

それこそ月(ムーン)。

そう、あのおじさんはムーンウォーク中なのだ、と。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

カマキリの午後

Kasaneni1

ボクは涙した。

悲しいからではない。体のどこかが痛いからではない。ただ単純に、玉ねぎが涙腺を刺激するのだ。涙でかすむ刃先を見ながら、玉ねぎを切っていく。両親が畑で育てた土つきの野菜を、どうにかおいしくいただけないかと考えながら。

Kasaneni2

ちょっと一休み。

植えたパプリカにいつもいるカマキリに挨拶して目の前の八百屋さんへ。足らない食材を買おうと店内に入ると、もう産まれたかと聞かれる。まだですよ。予定日は23日なんですよと答えると、八百屋さんのカレンダーの23の文字に赤ペンで花丸がついた。

奥さんに栄養つけてあげてねと、桃、夏みかん、漬物をくれる。パン屋さんに行っても、奥さんに栄養をつけてあげてねと、どんなに断ってもパンをくれる。何だか申し訳ないが、感謝の気持ちでいっぱいだ。

Kapa1

ヨシコは風でふくらむ白いカーテンの下でお昼寝。

ボクはその間に何をつくろうかと本棚を見ていると、「ひとつの鍋から幸せひろがる」と書いてある料理本を発見。これしかない!と野菜の重ね煮をつくることにする。

アン・サリーと、ヒヨドリの声聞きながら、鍋の底に塩をふり、切ったトマト、その上にじゃがいも、先程の玉ねぎ、にんじんを重ねていく。そして上から塩少々。おいしくなってくださいと手を合わせたなら、蓋をして、弱火にかけるだけ。

Kapa2

火を止めるタイミングはいい香りがすればよい。

本にそう書かれてあるのでのんびり待ってみる。鼻がかゆいのでかいていると、指先についていたであろうニンジンの匂いがこびりつく。あわてて顔を洗う。他の野菜のいい香りを逃してはならぬ。だって最高の状態で火を止めるのだから。

そこから少しするといい香りがしてきた。

それは焼きたてのパンの匂い。どうやら下のパン屋さんが午後の支度をしているらしく、あわてて玄関をしめる。いつもなら大歓迎なのだが、今日ばかりは野菜のいい香りを逃してはならぬ。だって最高の状態で火を止めるのだから。

Kasaneni4

おいしいよ、ヨチュオさん。

起きてすぐに食べれるヨシコが重ね煮を快食する。ひとつの鍋から幸せがひろがります。塩と野菜のうまみに、胡椒を少し。油はもちろん入りません。体の中から元気になる味を堪能したならば、デザートにいただいた夏みかんを。

そして枝豆をざっと洗い、塩ひとつかみを加え、産毛をこするようにもんだならば、好みの固さで茹で上げる。この熱々を昼間の楽しみ、ビールのあてにしてのんびり過ごそうと決めこんだ。

Kasaneni5

あら、私のためにありがとう。

おかしい。ヨシコの手が頻繁に伸びてくる。夏みかんを食べたはずなのに、枝豆もしっかり食べる。これはきっとヨシコリの分なのだろう。今は、二人分しっかり食べて、その後、リラックスが一番なのだ。

Kasaneni6_2

カマキリのメスはオスを食す。

同じ種類でも体の小さいオスが体の大きいメスに共食いされてしまう場合があるのだ。それは産卵にむけての力をつけるためでもあるらしい。ヨシコの食欲を前に、我が家のパプリカにいるカマキリを思い出しながら、人間で良かったなぁと、ふと自分が着ているTシャツを見ると・・・。

げぇえ!カマキリがデザインされたTシャツ着てた!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

カイワレ事件

ヨチュオさん、友達から聞いたんだけど。

何かね。

内くるぶしから少し上のここのツボを押すとね。

ふむふむ、どうなるのかね。

赤ちゃん、産まれるんだって!

ちょっ、ちょっと今は押すの待ってくれ。あの看板が目に入らんか?

Kaiware1

さて晩御飯の買出しに、食品コーナーを歩きながら、今日は何をつくろうかと相談していると、今宵は手巻き寿司にしようということになる。さっそく材料をカゴに入れ始めるのだが、肝心のカイワレがないのである。

ヨシコが手にしているのは、ブロッコリーの芽。似ているけれど、まったく違う!わたしが欲しいのは大根の芽なのだ!手巻き寿司にカイワレがないなんて、考えられぬ。

ヨシコに、家の前の八百屋さんならきっとあるよと、慰められながら帰宅する。

近くの蓮池には、産まれたばかりと思っていたカイツブリの雛が、すっかり大きくなって、蓮の葉を揺らしていた。

Kaiware2

なっ何故だ!

八百屋のおじさんに、イタリアンパセリならあるよと言われる。わたしが欲しいのはそんなオシャレなものじゃなくて、もっと普通の、そう大根の芽なのだ。おじさんも、いつもならあるんだけどなぁと、奥の冷蔵庫まで見てくれる。それでも無し。

ははぁーん。

これだけカイワレがないとなると、おそらくこの近辺の住民、全員、今宵は手巻き寿司なのだ。これは、大変な日に我が家も手巻き寿司を食べたいと思ってしまったものだ。よし、それならば、高速道路の向こうにあるコンビニまで走ろうではないか。ヨシコを帰宅させ、自転車にまたがりカイワレ求めてこぎまくる。

Kaiware3

なっ何故だ!

カイワレよ、何故、巻かれている!コンビニには手巻き寿司そのものが売られている。わたしが欲しいのはそんな出来上がったものじゃなくて、そこに挟まれている大根の芽だけなのだ!

ははぁーん。

おそらく市民、全員、今宵は手巻き寿司なのだ。それならば、となりの市まで自転車をこぎまくる。

Kaiware4

なっ何故だ!

あったのはいいが、レジのお姉さんに58円です♪と言われる。おかしい。貧乏時代、かなりカイワレにお世話になったものだが、確か新世界では15円だったはず。ボクはいったい何を食べていたのだろうかという素朴な疑問とともに、帰宅する。

さて、寿めしをつくり、刺身をさばき、錦糸卵や、ハム、きゅうりなどを準備するヨシコ。次第に熱を帯びてくる手巻き寿司パーティー。

ちょっとタイをダブルでいっちゃう~?

ホタテトリプル最高!

寿めしってすごーい!何でもあっちゃう!

あれもこれも挟みた~い!

やっぱりカイワレ最高っ!!

ギャー!ギャー!

Kaiware5

ヨシコよ、今日は何の日だ!

今日は日曜日、家族が集う日よ!

そのとおり!

あわわわわわ、ヨシコリでお腹が歪むー!

トントンっとお腹を叩くと、元の位置にもどるヨシコリ。

さぁ、こんな両親の元に飛び出ておいで。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

アシナガバチとタンソクトウチャン

Candle1

あかん、あかん!そっち行ったら!

朝から、ボクは格闘する。暑さゆえ開け放っていた玄関から、アシナガバチの偵察隊がするりと舞い込んだのだ。ヨシコは妊婦とは思えぬ素早さで隣の部屋へ行き、閉めたガラス戸の隙間から、「アシナガバチVSタンソクトウチャン」の行く末を楽しそうに見ている。

そのスラリと長い足に嫉妬しながら、素手では危険だと思い、素早く手に取ったものは「アナタの携帯電話、古くてもうすぐ使えませんよー」というソフトバンクからの案内。ムムム!確かにまだvodafoneなのだが、まだまだ通話もメールもできる現役なのだ。

モノは大切に使いたいものですね。

Candle2

さて、先日は西梅田でキャンドルナイトのイベントを見てきた。

そこで比良のレブール、博士さんとブンさんにお会いでき、さらに嬉しいことに、Fさんにもばったり。おっとプチかんじる比良です。創作者が「吹き出し」をイメージしたというモノを見て、子どもたちは「これはポン・デ・リングやー!」と、自由な想像を膨らませています。何だか最高です。

さらにこの大量のキャンドルの行く末をうかがってみると、ちょっと興味深いことを知りました。

そうです、モノは大切に使いたいものですね。

Candle3

再び我が家での闘争へ。

アシナガバチは我が物顔で、風呂場に言ったり、台所に行ったり。その一挙一動を監視しながら、何とか野外へと去ってもらおうと努力する。こうなれば最終手段。左手に殺虫スプレー、右手にステンレス製の火バサミとよく分からない格好になる。出来れば使いたくないのだよ、アシナガくんと念をかけると、ススーッ!と玄関から出て行った。

ほっ。

命は大切に扱いたいものですね。

Candle4

戦い疲れて、お茶でも飲もうと台所へ。

ヨシコは淹れたての茶を茶漉しでポットにうつしながら、先程まで隙間から見ていたボクのへっぴり腰具合をゲラゲラ笑う。すると、手元がくるって茶葉ごとポットに沈みゆく茶漉し。茶葉だらけのお茶を飲んで、まったり過ごす。

その後、ご飯の用意をしようと、前の八百屋にいくと、商品の豆から根がでているではないか。

おっちゃん、豆から根が出てるでー。

あれ?豆ご飯しやすいように剥いたのがあかんかったんかなぁ。
それなら、そのままモヤシにするわぁ。

さすが!命は大切に扱いたいものですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

風の便り

Kazenokoto1

晴れて良かったねぇ。

お腹を揺らしながら、家から歩いて万博公園までやって来たわが隊。妊婦はとにかく散歩が大切。

ヨシコリ、分かるかい?

この広場はね、アナタがお腹にいたことを知らず、ヨチュオさんとバドミントンをしたり、走り回ったところなんだよ。

少し歩くとヨシコが鼻をピクピクとさかんに動かしはじめる。よく見ると、近くにバーベキューコーナーがあって、多くの家族連れが、昼間から食欲旺盛に楽しんでいるのだ。

ヨシコリ、分かるかい?

これはね、玉ねぎが焼かれている匂いだよ。

ん!これはタレの匂い。

はぁあ、せめてお肉の匂いだけでも・・・。

そう言いながらバーベキューコーナーに引き込まれていくヨシコを何とか止める。

Kazenokoto2

青空に響く音。

やっぱり太鼓は空の下が似合うなぁ。とにかく皆、楽しそう。

Kazenokoto3

ちょっと休憩しましょう。

本来ならば国立民族学博物館で、特別展「千家十職×みんぱく」茶の湯のものづくりと世界のわざを再度、拝見する予定だったが、勘違いで入れず。八の字眉になったヨシコを木陰のベンチに連れて行く。

風が気持ちいい。

木々のざわめきの中で、ヨシコは語りだす。

Kazenokoto4

ヨシコリ、分かるかい?

この風はきっと遠くから来たんだよ。

いきものとは、息をつくるもの、風をつくるもの。

この風は誰かの最後の息で、それを誰かが受け取るの。

Kazenokoto5

ヨシコの言葉に誘われてか、風がくるくると回る。スズメが可愛いポーズをとって、何かくれませんかと目配せする。木漏れ日もキラキラ。

ヨシコリ、分かるかい?

この風の中に・・・。

ヨシコ、深呼吸。

ん!!

ヨチュオさん、これはバーベキューの残り香っ!

またまた匂いの方へ歩き出すヨシコ。その後ろをついて歩くボク。家に帰ると、昨日芽生えたばかりのコリアンダーがすっかり双葉になっていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ビストロ・ヨチュオ

Yosshikorizu1

ビストロ・ヨチュオへようこそ。

朝からヨシコがあまり元気がない。原因は分かっている。顔を見る限り、お腹が減っているのである。さっそく階下のパン屋さんと、前の八百屋さんに足を運んで、買出し。玄関を開けて、10秒で食材がそろうありがたさ。

Yosshikorizu2

ヨシコ復活。

パン屋さんの食パンをカリッとトーストして、クリーム仕立てのマーガリンを急いでぬる。そこに半熟卵、塩、胡椒、ほんの少しのマヨネーズ、新鮮なトマトとレタスを挟み込んで、カットする。さらにソーセージをボイルし、オリーブ油で外はカリカリ、中はジューシーにソテーして、ヨシコに食べさせたなら、すぐさま顔に血の気が戻ってくる。何とまぁ、単純なことよ。

さぁ、さぁ、ビストロ・ヨチュオへようこそ。

Yosshikorizu3

サランラップいらず。

あまったサラダは夕食に。何度でも使えるこのフタは便利。一昔は「消費」することで満足していたかもしれないが、最近は「消費」しないことで心豊かになる人も多いのではないだろうか。

実はモノってそんなにいらないのではないかと思ったのは、リュック担いで数週間旅をしていたとき。だってこれだけの荷物で生きていけたもの。我が家はTVもサヨウナラ。エコだ、エコだと政府はポイントつけた政策をすすめて、家電を買えと言うけれど、すでに国民はもっと違うものに価値を見出しているんじゃないかなぁ。

Yosshikorizu5

カイツブリの赤ちゃんはいますかー?

先日、ヨシコが我が家の近くの蓮池を囲むフェンスに噛り付いて水鳥を探していると、紳士的な方に声をかけられたらしい。

ここにはね、3家族のカイツブリが住んでいるんだよ。

あれ?カイツブリって琵琶湖に住んでいるんじゃないんですか?

鳥は飛んでくるからね。

そんなことを言われた話を聞きながら、今日をのんびり過ごす。スピーカーからはザッハトルテのアルバム「おやつは3ユーロまで」。彼らのライブは最高。

そして冷蔵庫から冷えたキリンのラガービール(瓶)を引っ張り出して、歯が黄色くなるまで飲むからねと、微笑みかける。何たって、昨日、社長に「何故、酒を飲むのか」と聞かれ、「好きだからです!」と答えたのだから。

Yosshikorizu4

コリアンダーの芽生え。

先週、撒いた種からコリアンダーの赤ちゃんが顔をのぞかせている。いわゆる香草(パクチー)なのだが、二人して大好きなのだ。気軽に売っていないのならば、育ててしまえと意気込んでいる。育てていないものは、近くでお買い物。すると帰りに雨が降ってきた。

ヨシコリ!安心するんだよ!アナタは濡れないからね!

ヨシコはそう言うけれど、今頃ヨシコリは羊水でずぶ濡れだよ。

Yosshikorizu6

さぁ、再びビストロ・ヨチュオへようこそ。

日頃、ご飯をつくってもらっているありがたさをお返しとばかり、新発売のアサヒ・ザ・マスターをかたむけながら、酔いどれシェフの腕がなる。刺身でもいけるホタテを、育てているローズマリーをブチッ!、オリーブ油とともに塩をきかせてソテー。アスパラガスのマリネと、カボチャの素焼きを添えて前菜に。メインは鶏のもも肉をグリルで焼いて、キノコとアラビアータのソースでいただきましょう。もちろん自家製バジルがアクセント。

最後は春ですから、やっぱり貝です。ボンゴレ・ビアンコ。ボンゴレ(VONGOLE)はイタリア語でアサリ、ビアンコ(BIANCO)は白ですよ。あさりと白ワインでソースをつくります。ついでに白ワインも味見と称し飲みながら、茹でたてのパスタと、刻んだ大葉であっさりといただきます。

Yosshikorizu7

梅と交わりたいかー!!!

ヨシコは蜂蜜にむかって吼えている。どうやら梅シロップを仕込んでるらしい。

ヨシコリーズ(ヨシコ&ヨシコリ)よ、どうだったビストロ・ヨチュオは?

うん、おいしかった。ヨシコリが、父ちゃん、明日もがんばれって言ってるよ。

あっ?そうなの?明日も?

あと、後片付けもよろしくね。ピカピカにするんだよ。

※ビストロ(フランス語)気軽に利用できる小さなレストラン。池波正太郎が言う「うまいもの屋」。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

バオバブの記憶

Baobabunokioku1

お腹の子どもが大暴れ。

十三は第七藝術劇場で本橋成一監督の「バオバブの記憶」を見ていると、隣でヨシコが慌てている。画面いっぱいに踊る色彩豊かな服で着飾ったセネガルの人々と、スピーカーから大音量で流れるタムタムのリズムに反応したのか、お腹の子が急に踊りだしたらしい。

バオバブおじさん 教えておくれ 千年前 ぼくたちは どんな暮らししていたの?

そう歌われ、何千年と生きものを見守ってきたバオバブの木と、近代化の波との対比。映画館近くでネギ焼きを食しながら、あれこれと考える。これを書いている今でも、バオバブの木と、セネガルの家族の情景とともに、ありとあらゆる思いが繰り返し反芻されるのだ。

Baobabunokioku2

北極しろくま堂でスリング講習会。

十三から三宮まで移動。このスリングは生後2週間くらいから、16キロ(約3歳)まで使えるだっこひもで、抱っこしたまま授乳もできる優れもの。来月の出産にむけてこれにて準備万端。ヨシコも何だか一安心のご様子。

Baobabunokioku3

じゃじゃーん!

スリングの他にもヨシコお手製のよだれ掛け。あまった布でササッと作ったわりには見事である。

さて帰る前に、元町のお気に入りの小さなお店で一杯。新鮮な蛸の酢味噌に、ほんの少しの辛子をつける。これがまたうまいのだ。ゴーヤの冷菜もニンニクがピリリ。鰯の南蛮漬けもビールにあう。店のラジオは定額給付金の財源について異議有と吼え、カウンターの上に置かれたガラスコップの中では、ウドが芽吹いている。するとヨシコが聞いてくる。

前、このお店に来たのはいつだっけ?

確か1年も経っていないと思うも、2人とも中々思い出せず。これでは数百年を誇るバオバブの記憶どころではない。結果、無事思い出せたものだが、最近の記憶力を試そうとクイズ大会へと発展する。問題を聞き逃すまいと集中するヨシコ。どうにか打ち負かしてやろうと考えるボク。

では、最近、2人してはまってしまった鬼平犯科帳より問題です。

元々は蓑火の喜之助配下であり、本格派の盗賊の首領だったのは、大滝の五郎蔵ですが、彼の好物は?

田螺(たにし)の饅(ぬた)!!!

正解ッ!

| | コメント (2) | トラックバック (0)

幸せのカタチ

Aozora1

何という青空だ。

朝7時。土曜日出勤でゆれる車窓から恨めしそうに空を見る。車内にはリュックにストック、いかにもこれから六甲山、摩耶山、須磨アルプスあたりを登りそうな人々を乗せている。その傍らで、今日の仕事について頭を働かせていくのだ。

Aozora2

午前中に仕事を終え、ヨシコと合流。

難波のアウトドアショップの店長さんと、何故かマタニティー談話。その店長さんは、渓流釣りをやられるのだが、こんな青空の日には、奈良の川上村の名も無き支流まで車を飛ばし、棹を振り、魚と会話をしに行きたいのではないかと想像してしまうのだ。

Aozora3

えっ、ちょっと大きすぎません?

大阪の喧騒を避けるように、静かな我が家へ戻る。夕陽が傾き、小さな陽だまりの中で猫が毛づくろいをしている。蓮の池では、カルガモの子どもが泳ぎまわり、八百屋さんでおいしいトマトの見分け方を教えてもらい、酒屋さんで今朝、能勢で採って来たのよと言う朝採れの筍を買う。

袋の中に米ぬかを入れといたからー!

酒屋のおばさんの声を背中で聞きながら、階段をあがる。

持ち帰った筍を見たヨシコは、さっそくお腹の子に語りかける。

父ちゃんはね、買ってくるだけですよー。分かるー?アク抜きは毎年、母ちゃんなのよー。しかもね、鍋に入らないほど大きなものしか買わないのよー。もうちょっと考えたらいいのにねー。

父ちゃんは、以外と妊婦に過酷なことをさせるのよー。母ちゃん、今から筍をおいしくする作業しますのよー。

Aozora5

ヨシコが筍にサクッと包丁を入れると、そこから春の匂いがする。

お~風呂、お風呂。米ぬかのお風呂へようこそ~♪

今度は筍に語りかけるヨシコ。

ボクはその声を聞きながら、すっかり茜色になった空を見る。頭の中では今朝の出来事を思い出していた。

Aozora4

チッ!チッ!

そんな音に振り向くと、同僚二人が笑いながら近づいてくる。三人でビルの隙間から見える青空を見上げながら、何という青空だと言う。

こんな青空ならば、山にでも登りたいなぁ。

こんな青空ならば、晴れていると分かっているのにも関わらず、家でゴロゴロ寝たいなぁ。

こんな青空ならば、朝までDJをやっていて、アルコールでフラフラと酔っ払いながら家路につきたいものだなぁ。

三者三様の青空に対する想いが、同時に口に出たことに、つい笑ってしまう。

同じ青空でも、思いを馳せる幸せのカタチというのは違うのだ。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧